2020年09月10日
猿には分からないシースメイキング スタッズ編

今回から何回かに渡ってシースメイキングの様子をご覧頂きます。
猿には分からないと思います。「それは何故か?」だって…
それは『猿』なのでね。
ご理解頂けましたでしょうか?ハァ?それともお前さんも猿なのかい?ハァ?
猿はほっといて進めて参りますよ!

今回は以前に製作した→ハンティングナイフ用シースをMCナイフ対応にリサイズした物を製作します。
更にラインストーンやスタッズをあしらってウエスタンスタイルに仕上げます。

画像は型紙に合わせて切り出した各材料です。画像にはありませんが、他にリベットやボタンが必要になります。
→サカエヤ製サバイバルゲーム用ナイフのシースを作り直した時のように床革を使用して床処理はせず、ワイルドな雰囲気に仕上げます。

こちらが今回使用するプロング(爪)式のスタッズです。
カシメ式やネジ式などもありますが、米国のヴィンテージ物に使われているスタッズといえばプロング式がほとんどです。

スタッズの型紙は半透明のPP板で製作しています。透明の素材だと位置決めの際、非常に便利です。

スタッズをセットするとこのような花柄となります。昔から存在する人気のあるデザインです。

スタッズを施す位置を決めたらクリップで型紙を固定します。

型紙に合わせて革に穴を開けて行きます。画像では→マテックス精工のハンドプレス機を使用しておりますが、騒音が許される環境であればハンマーを使う方法でも可能です。


穴開けに使っているのはレースかがり用の平目打ちです。今回は2mmと3mmを使います。
先端が平らになっているのが特徴です。切れ味が鈍ったら研ぎ直して何度でも使用出来ます。

全ての穴を開け終えた状態がこちら。


開けた穴にスタッズを差し込んで行きます。

スタッズの固定はただ爪を折るだけでは無く、ホチキスの針のように先の細いプライヤーなどで巻いておきます。


スタッズが変形しないように下にゴム板を敷いてからハンマーで叩いて爪を革に食い込ませ固定します。


同じ事の繰り返しでどんどんスタッズを打って行きます。

小さいスタッズから順に打って行くのがコツです。
それは先に大きなスタッズを打ってしまうとスタッズの厚みが下駄になって小さいスタッズが打ちにくくなるからです。
↑猿にはこの意味が分からんだろうな。なんたって猿だからな。

全てのスタッズを打ち終えた状態がこちら。
老若男女を問わず使えるデザインです。まぁ、ゴツいフルサイズのMCナイフを使う女性は余りいないと思いますが…

そのままだとスタッズの爪が露出しており、ナイフのブレードに傷がつきますのでブレード保護と滑りを良くする目的で薄めのサドルレザーを接着します。

強固に接着する必要がありますから、ゴム系ボンドを使用しました。
クランプして24時間放置します。

革の断面で接着の状態が確認出来ると思います。
次回は完成編になります。
Posted by 老人ナイフ at 19:20
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