2021年03月26日
ネーミングがエ○チ♡

本日は趣向を変えて革紐の作り方をご紹介致します。
ブログタイトルのハートは言わずと知れたアテナ様のパクりです。
各フィールド様やショップ様はもっと女性スタッフの自撮りを載せて下さい。野郎の画像が貼られているだけでむさ苦しくて行く気が失せます。
「であえ。であえ。」の某ショップスタッフ様もよろしくお願い致します。最近自撮りが少ないので絵に華が無いんですよね…
偉そうに山猿が何か申しておりますが、簡単?とは言えないので『猿』には分からないと思います。

まず床革をほぼ正方形に切り出します。
床革とは革から吟面を取り去った物で革の厚みを調整する『漉き』の工程で必ず出る物です。
吟付き革より安価なことから試作品の製作や床革特有の表面を活かした暖かい雰囲気の作品にも使われます。
その床革も表面処理をすることでハードな吟付き革風になります。

床仕上げ剤を塗布します。
要は水性アクリル樹脂にワックス成分を添加した物で、木工ボンドの接着力を弱めた感じと言えばイメージが掴みやすいかもしれません。
床処理剤は色んなメーカーから販売されており、今回はクラフト社のトコプロを使用しました。
「理由は?」セイワのトコノールよりも安いからです。トコノールがトコプロよりも安ければトコノールを使います。
「床のプロやて。これはエ○チなネーミングやな。」老人が何か申しておりますが、スルーしましょう。


分かりやすいように右側のみ処理しています。
トコプロが半乾きの状態でガラス板で革の毛が寝る方向に磨きます。処理後は革の毛羽立ちが抑えられて艶が出ます。
床処理された面は防水と防汚効果があります。


床仕上げ剤を塗布すると革の色が一時的に濃くなりますが、完全乾燥すればある程度落ち着きます。

次に革を裏返してなんちゃって吟面となる面を任意の色で染色して行きます。今回はアルコール系染料の黒を使いました。

床革自体がスポンジみたいな物なので染料はいくらでも浸透してしまいます。
表面が染まった時点で染色はストップして下さい。染料が無駄になるだけです。
革紐は面で見るような面積ではないので革に染めムラがあっても殆ど分かりません。

裏面でやったのと同じようにトコプロを塗ってガラス板で磨き上げます。

ガラス板で磨いた後にウエスで乾拭きると更に光沢が出ます。『なんちゃって吟面』の完成です。



革紐の切り出しには市販のレースカッターを使用します。実勢価格は大手ショッピングモールで1000円前後といった所です。
ボディがプラなので革との摩擦で焼けて減ってしまいますから、本体も消耗品と考えた方が良いと思います。
同じ構造で素材をステンレスにした物が欲しい所。

レースカッターは刃の取り付け位置を変えることで幅の異なる革紐を切り出すことが出来ます。
5mm幅はシューレースとしても使えます。
長さが決まっている既製品とは異なり、任意の長さにカット出来ますから丈の長いマーチンや米軍のジャンプブーツに最適ですね。


特大ポンチを使って革のほぼ中央にレースカッターを通す穴を開けます。
特大ポンチが無い方はサークルカッターでもオケ

レースカッターをセットしやすいように予め革を螺旋状に切り出しておきます。


レースカッターをセットして紐状となった革を引きながら螺旋状に切り出して行きます。
レースカッターを支点にしながら革がくるくると回転していくイメージ。分かるかな?

なんちゃって吟付き革紐の完成です。
吟付き革を使って切り出す方が余計な手間が無くて簡単なのですが、何せお高いのでね…

画像の解像度が高くアップだと床革だと分かりますが、吟付き革を使った革紐と比べても遜色ありません。

革紐をオイルでしごけば更に毛羽立ちも抑えられて切れにくくなります。
僕は市販のレザーシューレースなんて買った事がありません。老人ナイフの工房に行けばいくらでも貰える。
レッドなんちゃら純正とかお高いのでね。

老人ナイフの工房は県境の村の山頂付近にあり、携帯は圏外です。
秘境というか、完全に下界とは隔絶された陸の孤島です。
野生動物との遭遇がハンパ無い。僕が目撃したのはシカ、イノシシ、タヌキ、キツネ、猿、キジなどです。

電気は通っていますが水は山に流れる川の水をポンプで汲み上げて貯水池に貯めて高低差で供給する方法です。
一度貯水池を見せてもらいましたが赤腹イモリだらけで気持ち悪かったです。勿論、飲料水としては使えません。
一応トイレもありますが汲み取り式で底が抜けそうで恐いです。

交通機関は路線バスがあります。しかし最寄りのバス停から徒歩で険しい未舗装の山道を約40分登らなくてはなりません。
そのバスも一日に数便で運転免許の無い僕は乗り遅れると山に取り残されます。
暖房は無く、真冬は雪に閉ざされて-14℃まで下がりますから確実に凍死します。その寒さは北海道出身者に「寒い!」と言わしめたほど。
初代製作担当は4駆の自家用車で数時間掛けて通っていたみたいです。

山の麓の集落に商店があり、夏場に山道を歩き疲れて飲み物を買い求めた所、店の人が地元住民ではない僕に気付いて老人の工房に用事があって来た事を告げると「暗くなるまで山におったらアカン。」と意味深発言で僕を怖がらせるし…

僕はホラーゲームの『サイレン』を思い出しました。
映画版は阿部寛さんの台詞「サイレンが鳴ったら決して外に出てはならない。」が印象的でした。チョイ役なのが勿体ない。
個人的にはゲーム版の完全映画化が見たいな。
老人曰く「昔から地域住民とは仲が悪い。」のだそうです。
昔は老人が山で採れた山菜などを地域住民にあげたりして良好な関係を構築しようとしていたらしいですが、住民との間に何かあって村八分になったと初代製作担当から聞いています。
詳しいことは何一つ教えてくれません。まるで田舎の村社会に纏わる都市伝説やジャパンホラーの世界ですよ。

老人ナイフのしきたりとして製作担当は工房で作業することとなっています。
しかし、2代目レザークラフト担当者がその条件を飲まずに教団側が材料や工具の持ち出しについて譲歩した結果、突然連絡が取れなくなってしまいました。
これだから他人は一切信用出来ないのです。
持ち去られた備品の総額は時価数百万円分にも上ります。PCにデータが残っていない型紙に関しては再現不可能な物もあります。
報酬の無い完全ボランティアであることに対しても不満を洩らしていましたから、報酬の代わりとして持ち去ったのかも知れません。
老人ナイフは経験を積む事によって製作者の技能が向上することが製作者への『対価』という考え方です。
ナイフシース製作のノウハウなど決してお金では買えない物です。
僕に老人を倒して教団の全権を掌握するように『内ゲバ』を持ち掛けていましたし、型紙も持ち去っていることから、陰に老人ナイフを快く思わない勢力の共犯者が居ると考えています。

この件で老人ナイフの主宰者たる老人は大激怒し、二度と備品の持ち出しを許可しないでしょう。
新規に志願する者は教団への揺るぎなき忠誠と完全に社会から隔絶された老人ナイフ工房で作業をして頂く事が絶対条件です。
たまに敷地内にハイカーが迷い込んで来ることはありますが、普段は誰も訪ねて来ることも無く街の喧騒を離れて世捨て人のような生活がしたい方には最適です。
今は失った工具や材料を買い直している段階です。ナイフシースから簡単な構造の物に製作をシフトしたのはその影響です。

製作に関しては次の担当者が決まるまで初代担当がヘルプで入ってくれています。
これからの季節は道中の水路に仕掛けた罠で一網打尽にしたアメリカザリガニが食べ放題と言ってました。
以前工房を訪ねた際にご馳走になりましたが、普通に旨かったです。

革は螺旋状に切り出しているので、このように四隅が残ります。


四隅のハギレは特注のポンチで打ち抜いて『コード止め』を製作すれば革が無駄になりません。

今回製作に使用した面積の革でも一般の方だと一生掛けても使い切れない量の革紐を作る事が出来ます。
日常的にレザークラフトをしている方だと、この量でもあっという間に無くなります。


※プレゼント企画は終了しました。
ファスナーの引手に使ったり、アイデア次第で色んな用途にお使い頂けます。
素材が天然皮革ですから、ミリタリー用途でも国や年代に左右されず革紐の出番は多いと思います。
その他老人のオークションは→こちらからどうぞ。
Posted by 老人ナイフ at 00:39
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