2020年08月22日
手縫い機イージーステッチャー
評判が良いのでイージーステッチャーなる手縫い機を購入してみました。
オープンプライスのようですが、実勢価格は3000円台後半といった所です。
パッケージの表裏はこのようになっております。
パッケージのチャック付きポリ袋は万引き防止でしょうか、このようにシールされていました。
万引きでは無くてもパッケージを勝手に開けるマナーの悪い者もいるので良いと思います。
内容物はこのような構成となっております。
左から説明書→イージーステッチャー→ポリ袋の順です。
説明書表紙にはイージーステッチャーのスペックが書かれています。 期待出来そうです。
イージーステッチャー本体は更に袋に入っていました。
ブランドは遊牧舎工房、販売元はアウトドア用品で有名なA&Fです。
20年以上前になるでしょうか、当時A&Fのオフシャルショップは大阪には無く、名古屋駅近くのオフシャルショップで英バブァー社のワックスコットンジャケット(英国式合羽)を買った記憶があります。
現在も名古屋はファッションワンで営業中との事です。
今年3月に増床リニューアルされ、人気のアウトドアギア世界の名品が揃います。
信頼の日本製
イージーステッチャーは精密な技術が必要な金属の削り出しで出来ており、精度を確保するには国産が一番だったのでしょう。
生産拠点を日本国内にするのは良い事だと思います。
イージーステッチャーを袋から出してみました。
綺麗に削り出されて面取りもされており、バリなどは皆無です。手にしてみると程良い重さがあります。
簡易的に測定してみた所、約49gでした。 公称値も50gとなっています。
老人としてはオール真鍮製の80gとの持った感じの違いも気になる所です。
イージーステッチャーのパーツ構成はこのようになっており、円筒状の本体内部には蝋引き糸を巻いた簡易的なリールと縫い針が封入されていました。
各部の名称と糸の通し方は画像1枚目の通り。 画像2枚目は実際に糸を通した状態です。
縫い針は上段の付属の物の他、針の直径が2~2.5mmであれば市販のミシン針も使えるので針折れを気にすること無く使用出来ます。
糸は今回革専用のナイロン糸を使いました。 天然の密蝋で蝋引きしてあります。
ヴィンテージ古着好きの方もそうなのですが、「古い物の復刻版だったら、当然糸は木綿糸だよね?」という人が必ずおります。
確かに古い製品には木綿糸が使われております。しかし、強度に劣りかなり早い段階で糸切れを起こしてしまいます。
大手復刻メーカーも木綿100%の糸は使っておらず、混紡やナイロン糸を使用しています。
糸通しのポイントは針の溝とガイド溝を一直線に合わせる事です。 そうしないと糸がスムーズに繰り出せません。
ニードルキャップを取り付ければ糸のセットは完了です。
セット後のサイズ感は画像の通りです。 手の小さな女性にも扱い易いのではないでしょうか。
イージーステッチャーを使った縫い方については詳しい説明書が付属しているので割愛させて頂きます。
革の手縫いに良く使われる2本針を使った縫い方とは多少異なりますが、別段難しいものではありません。
練習次第で誰にでも修得出来る技術です。
試しに米軍パイロットサバイバルナイフ用シースの砥石ポケットをイージーステッチャーを使って縫ってみました。
ちなみに縫い穴のピッチは2.5です。
慣れは必要ですが、2本針で縫うのと遜色無く縫う事が出来ます。
使ってみて感じたのは革を貫通させる際にニードルキャップに親指を当てるとニードルキャップが緩む方向に押されてしまい縫っている途中で増し締めが必要でした。
本体のローレットが刻まれている部分を持てば良い話なのですが、硬くて厚みのある革だとローレットの位置では力が入りにくいのです。
これはニードルキャップのネジを逆ネジにすれば100%解消出来ることなので遊牧舎工房様には是非とも改良して欲しいポイント。
他に気になった点はありませんでした。 過去にも改良されているようで手縫い機としての完成度は高いと思います。
短い距離をサッと縫いたい時やミシンに入らない袋状のマガジンポーチなど装備の補修にも最適です。
勿論、その気になればイージーステッチャーだけでナイフシースやバッグなどを丸ごと縫う事も可能です。
キャンプなどの出先でテントの補修が必要になった時や革以外のコーデュラナイロンも縫えると思われる事から、1本持っていれば色んなミリタリーシーンで活躍してくれるのではないかと思います。
Posted by 老人ナイフ at 12:39
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