2020年08月11日
ジャクソン二等兵のナイフ

地元ハンターからの依頼で狩猟ナイフ用シースを製作しました!

ハンターも若手と呼ばれる方で60代です。
お盆の大掃除だからでしょうか?この時期に革製品のリペア依頼が多い気が致します。

持ち込まれた狩猟用ナイフはこちら。ドイツの刃物製造で有名な都市ゾーリンゲン製でした。


ちなみに映画『プライベートライアン』でジャクソン二等兵が装備しているタイプの狩猟用ナイフとほぼ同型だと思います。
気になる方は映画をチェックしてみて下さい。
パッと見にはまだまだ使えそうですが…

ベルトの革に亀裂が入って駄目になっていました。
ベルトの交換だけなら数百円で出来るのですが、全体的に革が硬化していたので丸ごと作り替える事に。

元シース(画像上段)と新造品の比較
後述しますが全く同じ物を作るのでは無く、なせ革が硬化したのか考えて対策を講じた上で製作しています。


先ず、ナイフの抜き差し向上目的でオリジナルには無いマチを追加しました。
直線部分全てにマチを入れたので抜き差しが劇的に向上しています。

不整地での行動でもナイフがバタつかないように革紐も追加しました。

実は革紐を通すコードホールはシースの通気口や排水口を兼ねています。
水没してもコードホールから水が排出されますし、水分が革紐に吸われて蒸発します。
革タブ式のコードホールや元々コードホールを備えていないシースは排水機能に劣り、手入れを怠ると直ぐに革が劣化します。
①硬化した革の亀裂→②ステッチの解れ→③辛うじてリベットで持ちこたえる→④シース破断 の流れでシースが崩壊します。
古い米軍パイロットサバイバルナイフのシースに朽ちてボロボロになった個体が多いのはその為です。


簡単な構造の物であれば材料や仕上げにもよりますが、3.9k~6.9kで製作可能です。
ちなみにこちらのシースは3.9k。持ち込みから約1時間でお渡し出来ました。
※リペアやオーダー品は地元ハンターのみです。

なぜ地元ハンターのみかと言うと、マニアの方は「ここが1mmズレているから、50円でええか?」「ここが実物と違う!ガー!」などとマナーの悪い方や面倒臭いタイプの方が多く、依頼があっても一切お断りしています。
ハンターの方は「使えれば良い。」という実用本位の考えで細かい事は気にしない方がほとんどです。
昔はどんな小さな町にもあった個人経営の銃砲店が狩猟用革製品の修理取次などをしていたようですが、廃業により革製品の修理を引き受けてくれる所が無いようです。
地元ハンターには良心的と喜んで頂いております。
面倒臭い系や鬱陶しい系の方は実物を探して買うか、自分で納得の行く物(←実際は似ても似つかない変な物)を作った方が良いと思います。
人付き合いか何か存じませんが身内が作った物だからといって、誰が見ても変な代物に対して『いいね』とは一体何なのでしょう?
滑稽と言うか、仲良しクラブと言うか、身内に甘いにも程があります。
こういう人達はなぁなぁの関係でお互いに本音が言えなくなってしまっているのでしょうね。
自分ではそれに気付いていても人間関係の清算や整理に踏み込めない自分独りでは何も出来ない精神的に弱い人達なのです。
だから、老人は下らない人付き合いが大嫌いなのです。根が正直なので変な物に対して「いいね」とは言えません。
変な物は変な物です。
当部隊は昔から身内に厳しいことで有名です。いくら古参であってもボロカスに糾弾されます。
猛烈なシゴキに耐えられず大人が子供みたいに泣きます。決して脚色している訳ではありません。
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Posted by 老人ナイフ at 14:41
│その他ナイフシース