2020年09月11日
猿には分からないシースメイキング 完成編


本日は完成までを一気にご覧頂きます。
スタッズをあしらった蓋にマチを接着します。


接着する前にマチを斜めに漉いておきます。
専用の革漉き工具がありますが、この程度の幅だとむしろカッターナイフの方が使いやすいと思います。

階段とスロープの違いと言えば分かりやすいでしょう。
分かりやすい例や画像で示しても猿には理解出来ないと思います。所詮『猿』なのでね。

革を斜めに漉いておくことで、このようにマチの無い部分に滑らかに繋がって行きます。

蓋の部分はサドルレザーで裏打ちをしてありますから、マチを接着する面をヤスリで荒らしておきます。
表面がツルツルの吟面に接着する場合は革の表面を荒らしておかないと接着の効果が弱まります。


マチが蓋からはみ出していますがワザとです。
革の断面同士を合わせて接着するのでは無く、接着後に余分なマチをカットした方がツライチに仕上がります。

マチを接着。クランプして24時間放置します。
接着の効果を最大限発揮させる為には圧着させる事が重要です。

マチの接着が完了するまで時間がありますので、ベルト用のスリットなどを先に開けておきます。
画像は型紙に合わせて穴開け箇所を目打ちでマーキングした状態です。

ハンドル固定用ベルトのスリットには尾錠抜きや楕円抜きといった専用の穴開け工具を使います。


ベルトループ用のスリットは先にポンチで穴を開けておき、直線断ちと呼ばれる専用工具でスリット部分を切ります。
直線断ちは希望のサイズがあるとは限らないので、幅の広い物を買って削って調整する場合もあります。

全てのスリットを開け終えた状態です。

土台部分に蓋を接着してクランプ。また24時間放置します。
「頭のおかしい奴の製作品を買わなくてもシースなんて簡単に作れる。」と思われているようですが、レザークラフトは待ちの時間が非常に長く何日も何工程も経て製作されています。
今回は染色も床処理もしないのでこの程度の工程に抑えられていますが、通常はこの作品以上に製作時間も材料費も掛かります。
待ち時間を除いた製作時間を最低賃金で時給換算すればオークションのスタート価格では到底提供出来ませんし、それなりにちゃんとした物を作るには高価な工具や特殊な材料なども必要で何の知識も道具も無い者が簡単に作れる代物ではありません。
某国生産品の価格と比べる事は出来ませんが、国内で国産材料を使って日本人が製作している老人製を法外な値段だとは思いません。


接着が完了したら縁捻などの工具を使ってステッチ用のラインを引きます。
ステッチラインの通りに菱目打ちで穴を開けて行きます。
特に厚みがある革はハンドプレス機の使用をオススメします。穴に垂直が出ていないと裏で必ず穴の位置がズレます。

チューブラーリベットを専用工具でカシメます。チューブラーリベットは厚みのある革に適しています。
米国では一般的なチューブラーリベットですが、日本のレザークラフト用品店では殆ど取り扱いがありません。
米国製シースの特徴的なディテールであるので老人はわざわざ海外から取り寄せています。

縫製とリベット打ちを終えた状態がこちら。
本当は腐食の原因となるリベットは無い方が良い。
ステッチの糸が切れるのはリベットに発生した錆がヤスリの役目を果たしステッチを徐々に磨耗させるからです。
リベットは補強という意味よりはステッチが解れた場合にシースの崩壊を防ぎシースを機能させ続ける事と装飾が目的です。



縫い終わりの糸処理は少量のボンドを目打ちの先につけてステッチ穴に押し込みます。

ハンドルの固定ベルトにドットボタンを取り付けます。
レザークラフトではハンドプレス機の出番が多くなります。
これからレザークラフトを始められる方や製作頻度の高い方には購入を強くオススメします。


オンタリオのMCナイフで収納を確認。
ハンドル固定ベルトのボタンの位置もオンタリオに合わせて設定します。
それは各メーカーのMCナイフの中でもオンタリオのハンドルが一番太く、比較的細身のカミラスに合わせてしまうとオンタリオに使用する際にボタンが止まらなくなってシースに汎用性が無くなってしまうからです。
この辺りも多くのシース製作で蓄積したデータが物を言います。
恐らく軍用ナイフシースに限って言えば老人が日本で一番数をこなしています。


共革で製作した革紐を取り付ければMCナイフ対応ウエスタンスタイルシースの完成です。
早足でご覧頂きましたが、シース製作の全体的な流れは掴んで頂けた事と思います。
次回は完成したシースの紹介です。

よく「コイツ、気に食わねぇ。」「コイツの作った物は買いたくねぇ。」「絶対使いたくねぇ。」なんて馬鹿の戯言を耳にするけど、
だったら、お前の持ってる電ガンや装備をどんな奴が作ったのか知ってるのかよ?
老人ナイフに限らず、世の中に流通している物の殆どが『企画する人』『出資する人』『作る人』『宣伝する人』『販売する人』全て別なんだよ。
残念ながら、その電ガンも装備もお前がデレデレしている可愛い女性店員が作った物じゃあ無いんだな。
無知なお前の為に親切な俺様が教えてやるよ。某国でパートタイマーのオバサン達が作ってる。
某国にパートタイマーって概念や働き方があるかは知らんけど…
お前はそのオバサンの性格が気になるのかい?ファミレスのキッチンで働くオバサンがトイレの後で手を洗ったか気になるのかい?
そんな事イチイチ考えてたら物も買えんし、外食も出来んわ。
買い物で下らない心情とか持ち出してアホくさ。お前らの考え方古いねん。時代遅れやねん。石器時代か。石器時代シチュエーションゲーム企画せいよ。
お前ら年寄り以上に年寄り的な思考だわ。僕ちゃん歳いくつや?飴やろか?
物の売買なんて物と金のやり取りに過ぎんだろ。俺様は心情を介在させる必要性なんか一切感じないね。
お前は店や通販で物を買う時に「これはアナタが作った物ですか?アナタはどんな性格の方ですか?」ってイチイチ聞くんか?引くわ。
一回専門医に診てもらえ。
それともお前、俺様と人付き合いするつもりで物を買うんか?違うやろ。
俺様はあくまでもブログ担当。作りも売りもしていない。そもそも知識も作る技術も無いし、ミリタリーやナイフなんて一切興味無いから。
お前らが嫌がらせで違反申告しても俺様とは赤の他人の製作担当とオークション担当が迷惑してるだけ。
だからお前ら『猿』なんだよ。
Posted by 老人ナイフ at 18:30
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