2018年09月08日
実物ナイフ VS トレーニングナイフ 徹底比較 その2 ブレード編

実物ナイフとトレーニングナイフを比較すると言っても何を基準にするかで比較内容は変わってきます。
用途が全く異なるアイテム同士なので比較出来るのは外観サイズに絞られると思います。

検証ポイントは
①実物ナイフとトレーニングナイフのサイズの違い
②実物シースと当方製作シースのサイズの違い
③トレーニングナイフは実物シースに収納出来るのか?
④実物ナイフは当方製作のシースに収納出来るのか?
以上4項目です。


ブレード長
実物ナイフ 18cm
トレーニングナイフ 18cm


ブレード収納部長
実物シース 19.6cm
当方シース 20cm


ブレード幅
実物ナイフ 32.1mm
トレーニングナイフ 32.1mm
数値の変化は無く、ブレード長、ブレード幅に関しては実物ナイフのサイズに準じて設計されています。


ブレード収納部幅
実物シース 58.2mm
当方シース 62.8mm
当方製作シースは幅を拡大してあります。拡大の理由については後述します。


ブレード厚
実物ナイフ 4.4mm
トレーニングナイフ 10.9mm
その差2倍以上!

比較画像
上からトレーニングナイフ→実物ナイフの順です。
これだけブレードの厚みに差があります。


いくら革にある程度の柔軟性があるとは言え、物理的に実物シースにトレーニングナイフを収めることは不可能です。
ご覧の通りトレーニングナイフのブレードが途中でシースと干渉してしまいます。


ブレード収納部最大厚
実物シース 13.6mm
当方シース 14.6mm
トレーニングナイフのブレード厚は実物ナイフの2倍以上もあり、ブレード収納部の厚みを増やしたい所ですが一般的な手縫い道具ですと革の厚さ15mm前後が手縫い可能な限界値となります。


ブレード収納部中間厚
実物シース 8.6mm
当方シース 10.3mm


ブレード収納開口部幅
実物シース 33.4mm
当方シース 39.3mm
ブレード収納部の厚みを15mm以上に拡大することは不可能なので、当方製作シースはブレード収納開口部の幅を拡大することでトレーニングナイフの収納を可能にしています。

このようにトレーニングナイフを収めることが出来ます。
実物シースにトレーニングナイフが収まるという幻想を打ち砕く数値は残酷でもあり、正直です。



当然ながら、当方製作シースに実物ナイフを収めることは可能です。
毎回同じ質問をされる方、これでご納得頂けたでしょうか?

結論から申しますと無加工では実物シースにトレーニングナイフは収まりません。
トレーニングナイフ、実物シースいずれかの加工が必要となります。
具体的な加工法としては実物シースに収められるサイズまでトレーニングナイフのブレードを削るか、実物シースを水に浸けて革を柔らかくした上でトレーニングナイフを強引に押し込み、そのままの状態で実物シースを乾燥させます。
サバイバルゲームやナム戦リエナクトメント系イベントなどで実物シースにトレーニングナイフを収めている方がいることから、トレーニングナイフは実物シースに無加工で収納可能という都市伝説が一人歩きしてしまいました。
デマに惑わされないように気をつけて下さい。
数値を可視化すれば、見えなかったものが見えてきます。
この趣味を長く続けるコツは他人の言うことを鵜呑みにしないことです。
次回は参考程度となりますが、数値比較グリップ編となります。
Posted by 老人ナイフ at
12:05
│USMCナイフ用シース