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何処にでもいる普通の老人です。

2019年09月26日

ホルスター製作 その1 裁断~染色編

M3ホルスター


以前から「老人は安く仕入れた海外製品を高額で転売しているだけ。」「ペラペラでチープな革を使っている。」などという根拠の無いデマを流布している不届き者がおります。

その度にブログで作品の製作行程を画像付きでご紹介してきましたが、性懲りも無くデマの流布を続けているようなので今回から何度かに渡ってホルスターの製作行程をご覧頂きます。

迷惑なので、こういう嫌がらせ行為はいい加減やめて頂きたい。
過去記事と内容が重複する記事を書くのに時間と労力を割かれていては創作活動にも影響が出ます。


M3ホルスター


画像はホルスターに使用するヌメ革の断面を簡易的に計測したものです。4mm以上あります。

ホルスターの製作では最大で3枚の革が重なる部分があり、8mmを越えると皮革用のミシンでも厚物専用の特殊な物しか縫うことは出来ません。
老人ナイフでは全て手縫いで行っております。


M3ホルスター


革の厚みが分かりやすいように2mm厚の革を上に重ねてみました。

実物やレプリカを含め色んなホルスターの革厚を計測した所、最大で約3mm程度でした。
革製品は厚ければ良いという物でもありませんが、老人製の方が間違いなく厚い革を使用しております。

革の厚みなど完成した作品の画像で革の断面を見れば分かる事です。
何故デマや見ず知らずの他人の発言を簡単に信じてしまうのか老人には分かりません。

悪質なデマの為に作者がイチイチ革の厚みの画像をブログに掲載しなくてはならないというのは異常事態だと思います。
根拠の無いデマを流布している者は恥を知りなさい。


M3ホルスター


アイテムがどんな物であれ、基本的にレザークラフトの製作行程は同じです。
過去記事で詳しく説明しているので今回は要点だけ簡単にご紹介させて頂きます。

画像は型紙を元に各パーツを革から切り出してヘリ落としや革を折り返す部分の漉き(革厚の調整)、飾り捻入れや刻印入れを行った状態です。
刻印に関しては製作するアイテムによって任意になるでしょうから、行程は飾り捻入れ→ヘリ落とし→革漉きの順となります。

固定ベルトを通すスリットが開いておりませんが、それは次に染色作業が控えているからです。
先に穴を開けておくと穴から床面(革の裏側)に染料が回り込んでしまうからです。

茶芯エイジング(擦れた部分が茶色くなる。)を狙って革の表面だけを染めているのに、芯まで黒く染めるのなら最初から染料で芯通しされた黒い革を買って使えば良いのです。


染料


次に革を染めて行きます。今回使用しているのはアルコール系染料です。

染料には大きく分けてアルコール系と水性が存在します。最近は性能に大差は無くなって来ていますが、それぞれ特性が異なります。
もちろん老人ナイフでは2種類を使い分けています。

初心者の方が誤解しやすい点に染料と塗料の区別がついていないというのがあります。
染料は塗膜を形成する塗料ではありません。塗るというよりも染み込ませるといった表現が正しい。

『アルコール系』
①水性より高価
②アルコール系は一度で濃く染まる。褪色は緩やか。
③揮発性が高く乾燥が早い。希釈する場合は変性アルコールを用いる。(本来は原液での使用が前提)
④オイルを多目に含ませて鞣された革にも染めつきが良い

『水性』
①アルコール系より安価
②濃く染めるには数回の作業が必要。褪色は早め。(直ぐに使い込んだ雰囲気になる。)
③乾燥がアルコール系より遅い。希釈する場合は水道水を用いる。(本来は原液での使用が前提)
④オイルを多目に含ませて鞣された革には染めつきが悪い。(水と油の関係を想像して下さい。)

今回ホルスターに製作に使用しているヌメ革はオイル多目と判断し、アルコール系をチョイスしました。
これからレザークラフトを始める方はこの辺りの判断が出来ないと思いますので、革を購入したタンナーやショップでどんな革なのか聞くなり、無難にアルコール系染料を使うなりして下さい。

経験と共に革の見分け方は身に付きます。


M3ホルスター


実際に染めて行きます。ムラ無く染めるコツは一気に染める事です。

レザークラフトの指南書には「様子を見ながら…」などと書かれておりますが、あれはデタラメです。
初心者ほど躊躇して少しずつ染める傾向が強いですから、ムラになりやすいです。


M3ホルスター


吟面(革の表面)→コバ(革の断面)の順で染めます。茶芯エイジングさせる為に床面(革の裏側)は染めません。
※吟面を染めた後は乾燥を待ってコバを染めないと手で吟面に触れた際に染料が床面に付着します。

染料は業務用を買って必要な量だけ紙コップなどに入れて使うのが経済的です。
個人用に小分けされたパッケージの物は非常に割高です。

24時間の完全乾燥の後に色止めの上塗りを行います。次回は上塗り~床処理編となります。





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