2019年06月05日
分かる方には分かる画像

実物
分かる方には分かる画像だと思います。

老人製ダミーナイフ (画像は製作途中の物です。)
KITの構造や素材である樹脂の強度面から実物と全く同じ角度には出来ませんが、アーリーモデルの特徴である角度のついたブレードを再現してあります。
シースからの抜き易さとフェンシングのフルーレと似た握り方をする為の設計でしたが、購入者に設計者の意図は伝わらず『曲がったブレード=不良品』と認識され返品が相次いだ為に1967~1968年に製造された最初期のモデルにしか見られないディテールです。

ガーバーの年表によるとベトナム戦争期間中に販売されたマーク2は以下の通りとなります。
1967-68年:マークⅡ・スチールグリップ (Mark II steel glip handles)
1968-78年:マークⅡ・グレイ・アーモハイド (Mark II grey Armorhide handles)
1970-74年:マークⅡ・グレイアーモハイド (Mark II grey Armorhide handles)
1973年:マークⅡ・イエローアーモハイド (Mark II yellow Armorhide handles)
これによるとスチールグリップと称される1967~1968年に販売されたモデルが最初期のブレードに角度がついた物にあたると考えられます。

陸軍での使用に限定すると1973年のみの販売にとどまったイエローグリップのダイバーモデルは除外しても良いでしょう。

またガーバーマーク2のイメージとして広く認知されているハンドルがライトグレイのモデルは、製造期間が1968~1978年と、息の長いモデルであったことも知ることが出来ます。
厳密には単にアーリーモデルからブレードの角度が改修されただけでは無く、ブレードの形状も若干変更されています。


アーリーモデルは特にブレードの幅が狭く弧を描くのが特徴で後年のモデルよりもより鋭利な形状になっていました。
また、後年のモデルはハンドルのクビレが強く、ヒルトの角も立っています。アーリーモデルは全体的にナロー(細身)なのが特徴です。
名称は同じでも後年のガーバーマーク2は全く別のナイフと考えた方が良いと思います。
海外では後年のモデルを再現したダミーナイフも販売されていますが、時代考証を考えるとナム戦装備には使えないでしょう。
ナム戦装備の再現には老人製ダミーナイフをお使い下さい。
1970~1974年に販売された同名称モデルとの違いが今一つ分かりません。もしかするとセレーションの有無による違いなのかも知れません。
これは推測に過ぎませんが、当時のガーバー社から軍関係者に対してマーク2の売り込みが無かったとは考えにくく、クレームにより大量に返品されたアーリーモデルの行き先が米軍=ベトナムであった可能性は十分あると考えています。
つまり、一般市場では販売が終了した1968年以降もアーリーモデルがベトナムで販売や使用された可能性はゼロでは無いと考えることも出来ます。

KITは老人製ガーバーマーク2タイプシースの販売本数+αしかご用意出来ませんでした。
KIT状態での販売はありません。全て塗装済み完成品にして出品します。
ヘチマ型シースには1968年以降のブレードに角度のついていないモデルの方が合うと思いますので、ブレードに角度がついていない物も何本かは製作します。
グリップのカラーリングもアーリーモデルはダークグレイ、1968年以降モデルはライトグレイで仕上げます。
シースをお買い上げ頂いた方の中にも溢れる方が出るかも知れませんが、数が限られておりますので完売の際はご容赦下さい。
今の所、再販の予定はありません。
今晩パテ盛りをして明日サンディングと組み立てを行います。
天候次第ですが、金曜に下塗りをして土曜に上塗りの予定です。
Posted by 老人ナイフ at 21:30
│ガーバーマーク2タイプ ダミーナイフ