2018年09月28日
専用設計です。
大戦型USMCナイフタイプをベンズレザーで作ってみました。
ご落札ありがとうございました。
ここでピンと来た方は観察力が鋭い。
画像上段のナム戦型MCナイフシースと比較してみて下さい。
実はこのシース左利き専用です。
米軍パイロットナイフシースのような左右対象のデザインだとブレードの向きを問わずに収納可能ですが、MCナイフシースは右利き用に作られています。
左利きの方が右利き用のシースからナイフを抜くとブレードでは無くブレードの背の部分が前にきます。
ナイフを使う為には手のひらの中でナイフを反転させ持ち替える動作が必要となり、1アクションどころか2アクションは遅れてしまいます。
これが左利きの方には扱いづらい。
平時の使用ではさほど問題ではありませんが白兵戦だと確実に戦死に繋がります。
当然平時の使用でも右利きシースよりも扱い易いのは言うまでもありません。
不特定多数の兵士が使うことを前提としながら、なぜ左右対象のデザインとしてシースを設計しなかったのかは謎というしかありません。
銃器などはその構造上、右利き左利き全対応の設計とするには無理がありますがシースでは左右対象のデザインにするだけで簡単にクリア出来る問題です。
合理的な物作りをするアメリカでこのような決定がなされた事実に興味をそそられます。
なせ今までこの疑問に誰も着目しなかったのでしょう?
そういう訳で官給品に対抗して左利き専用を作ってみました。
ベルトループはピストルベルト対応です。
シース下部には革紐を通して使う穴が開けられています。
大戦型はナム戦型とは異なりマチの無い作りです。
といってもブレード収納開口部にはマチを設けています。
実物ナイフ専用設計ですのでブレードの厚いトレーニングナイフは収納出来ません。
大戦型シースにはホチキス針による補強?があるのですが、お世辞にもあまり格好の良い物ではないので敢えて施工していません。
取り付ける場合はステーブル針が流用可能です。
実際にシースを作っている者の観点ですと、そもそも大戦型シース独自のディテールであるホチキス針がステッチの補強と言えるのか些か疑問が残ります。
革の結合方法としてはステッチの方がホチキス針よりも強靭だからです。
後にリベットに改良された点を踏まえると自ずと答えは見えてきます。
恐らくUSMCナイフシースの左利き専用は世界に一つだけだと思います。
サウスポーの方にオススメです。
Posted by 老人ナイフ at 02:25
│USMCナイフ用シース