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老人ナイフ
老人ナイフ
何処にでもいる普通の老人です。

2018年09月17日

時代への逆行が求められる作業




先日の記事でウォッチベルトに使用しているバックルが専用品になった事をサラっとご紹介させて頂きましたが、実はこのバックルにもこだわりがあります。






最近はメーカーが現代風にアレンジした商品による影響でユーザーの高級志向が高まり、ベルトのバックルの材質は画像のような重厚な鋳物が主流となっています。






アメカジやライダースジャケットがお好きな方なら誰でも知っているであろう米ショット社の名作ライダースジャケット『通称ワンスター』も復刻版は鋳物のバックルですが、1950~1980年代のオリジナルにはプレス製のチープなバックルが使われていました。





ワンスターのバックルが鋳物になったのは早くても80年代末頃か90年代初頭です。





プレス製のチープなバックル、これこそが60~70年代に見られたディテールなのです。
恐らく、ベトナム戦争当時に売られていたローカルメイドのウオッチベルトにもブレス製のバックルが使われていたでしょう。

現代の水準で考えるとチープな物をあえて使うという時代に逆行した作業が復刻版には求められます。


ディテール再現の為に製造業者や材料店などをあたってみましたが国内にはプレス製バックルを扱う業者は無く、わざわざ海外から取り寄せています。





革の色にしても最初から染料で芯通ししてある革を使えば染色の手間が省けて製作する側は楽です。

しかし、芯通ししてある革は使い込んでも黒革はいつまでも黒いままでヴィンテージのレザーアイテムにみられる擦れた部分が茶色く褪色する独特のエイジングにはなりません。





革製品に興味のない方や他人にはどうでも良いことかも知れませんが、そんな老人の下らないこだわりを詰め込んだナム戦ローカルメイドタイプウォッチベルトの出品にチョコレート(焦茶)を追加しました。

オークションはこちらからどうぞ。

ご落札ありがとうございました。





微妙な色の違いは黒染め(画像上段)と比較しないと分かりにくいと思います。
使い始めの真っ黒が苦手な方もおられますので、チョコレートはそういった方向けに最初からヴィンテージ風になっている色になります。